轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

02 こけ猿の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 241,861 字 · 480 页

青空文庫

あけてみようよね」

と小屋へかえって、箱の包みを取りだした。布づつみをとって、古い桐箱のふたをあけ、そっと壺を取りあげた。

高さ一尺四、五寸の、上のこんもりひらいた壺で、眼識ないものが見たのでは、ただのうすぎたない瀬戸ものだが、焼きといい、肌といい、薬のぐあいといい、さすが蔵帳の筆頭にのっている大名物だけに、神韻人に迫る気品がある。

すがりといって、赤い絹紐を網に編んで、壺にかぶせてあるのだ。

そのすがりの口を開き、壺のふたをとろうとした。壺のふたは、一年ごとに上から奉書の紙を貼り重ねて、その紙で固く貼りかたまっている。

「中には、なにが……?」

と左膳の左手が、その壺のふたにかかった瞬間、いきなり、いきおいよく入口の菰をはぐって飛びこんできたのは、さっき逃げていった鼓の与吉だ。

パッと壺の口をおさえて、左膳は、しずかに見迎えた。

「また来たナ、与の公――」

と、壺とチョビ安を背に庇って、

「汝ア、この壺にそんなに未練があるのかっ」

ところが、与吉は立ったまま口をパクパクさせて、

「壺どころじゃアござんせん。あっしア、今、本郷妻恋坂からかけつづけてきたんだ。