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つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

「講談雑誌」博文館、1922(大正11)年9月~1926(大正15)年5月<br>よき夫婦、復讐とげられる、右京次郎団、兄妹邂逅大団円「現代大衆文学全集 第六巻 国枝史郎集」平凡社、1930(昭和5)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 335,908 字 · 669 页

青空文庫

眼小さく、瞳輝き、鼻大きく、唇薄く、満面紅く童子を想わせ、全身肉落ち涸れてはいるが、かえって健康を感じさせる。年齢積もって百八十歳。しかも衰えはどこにも見えぬ。

これぞ当城、岩石ヶ城を、固く守って揺るがさず、四方の国持ち領主どもより、鬼畜のように憚られている武者所鬼王丸! 御嶽冠者の義兄弟、石川五右衛門の兄分であった。

「こりゃ白虎よ! いや太郎よ! いま一度申して見よ! なになに、日頃求めに求め、獲よう獲ようと望んでいたオースチン師を捉えたとな※(感嘆符疑問符、1-8-78) それは誠か? いや真実か※(感嘆符疑問符、1-8-78) こりゃもう一度申して見よ!」

「真実も真実、誠も誠、確かに捉えましてござります!」

「おお誠に真実とか? してどの部屋へ通したぞ?」

「は、やっぱり旅人蔵へ」

「えい、白痴めが、とく参って、鄭重に詫び言致した上、御嶽冠者殿参った時のみ使用致す『鳳凰の間』へ謹しんでお移し申すがよいわ!」

鬼王丸は怒鳴り付けた。

四四本丸

粗末で厳重の旅人蔵から優美を極めた鳳凰の間へ、さも恭しく移されて、オースチン師初め芳江も市之丞も、益※(二の字点、1-2-22)胆を奪われた。