轻松读懂日语经典作品
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
「講談雑誌」博文館、1922(大正11)年9月~1926(大正15)年5月<br>よき夫婦、復讐とげられる、右京次郎団、兄妹邂逅大団円「現代大衆文学全集 第六巻 国枝史郎集」平凡社、1930(昭和5)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 335,908 字 · 669 页
妖術無効
木馬へ跨がった老人が妖精どもを従えて、こっちへ走って来るのである。
妖術無効
「ううむ、変な奴が来やがったぞ。アレ木の馬に乗っていやがる」
才蔵もさすがに驚いて茫然立って眺めている。
「才蔵才蔵」
と洞窟の中から師匠三太夫の呼び声がする。
「はいはいご用でございますかな?」
「今度来る奴は手強いぞ。その意りでかかるがいい」
「へえさようでございますかな」
「負けそうになったら逃げ込んで来い」
「なあに大丈夫でございますよ」
「いやそうでない、お前が負ける」
「いったい何者でございますな?」
「人間ではない妖精だ。それ、例の鬼王丸だ」
「あ、あいつでございますか」
「負けそうになったら逃げ込むがいい」
「では、そうそう逃げ込みましょうか」
「何、そう早く逃げ込まんでもいい」
鬼王丸の一団はその間も颯と駈け寄せて来たが、忽ち岡を駈け上がった。
「小僧!」
と威猛高に鬼王丸は、馬上に突っ立って声を掛けた。「誰に許されてここには住むぞ!」
「爺!」
と才蔵も云い返した。「誰に許されてここへは来たぞ!」
「口の減らない小童めが、この白山のありとあらゆる所、皆この俺の領分じゃわい!」
「アッハハハハハ」