轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
「講談雑誌」博文館、1922(大正11)年9月~1926(大正15)年5月<br>よき夫婦、復讐とげられる、右京次郎団、兄妹邂逅大団円「現代大衆文学全集 第六巻 国枝史郎集」平凡社、1930(昭和5)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 335,908 字 · 669 页
双玉の原
その入江の水に臨み一宇の社が立っていた。
そこの社務所まで来た時であったが、二人の乙女が鳰鳥へ云った。
「妾達の住居でございます。さあおはいりなさいまし」
双玉の原
で鳰鳥ははいって行った。
部屋は清浄に掃除され、住み心地よさそうに思われた。そうしてここの住人といえば、たった乙女二人だけであった。
「さぞお疲労れでございましょう。少しお休みなさいまし」
こう云って乙女は床を敷いてくれた。
こうして鳰鳥の生活は、全く一転化することになった。
飛天術も縮地法も、非常にむずかしい修法である。で鳰鳥には出来なかった。それが彼女に出来ない以上は、この「双玉湖」の別天地から、木曽へ帰ることは困難であった。それに彼女は帰りたくもなかった。もちろん木曽の館では彼女を待っているだろう。換え玉もやがて露見しよう。そうしたら内乱が起こるかもしれない。そうして彼女の勢力が、その彼女の留守の間に土崩瓦解するかもしれない。だがそんなことは今の彼女には、一向苦痛でも懸念でもなかった。
彼女には現在の境遇がひどく愉快で気に入った。塵寰を離れた山中湖の附近、神のように清い二人の乙女、女ばかりの水入らずの生活、美しい自然清潔な空気、なんと館の生活とは夥しい相違のあることよ!