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つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

「講談雑誌」博文館、1922(大正11)年9月~1926(大正15)年5月<br>よき夫婦、復讐とげられる、右京次郎団、兄妹邂逅大団円「現代大衆文学全集 第六巻 国枝史郎集」平凡社、1930(昭和5)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 335,908 字 · 669 页

青空文庫

こうして山上の麗人国へ、蛮族の群ははいって行った。

まず第一の城門を潜り、つづいて第二の城門を潜り、宮殿の方へ進んで行った。

麗人国の住民にとっては、これは素晴らしい見世物であった。人々は家々の門口へ立ってその行列を見送った。「美」を愛する彼らにとっては、この行列は「醜」の極であった。

で、彼らのある者は、拳を握って憤慨した。

「これは侮辱だ! これは冒涜だ!」

そうは云ってもこの行列は、たしかに彼らには面白かった。

で、ある者は喝采した。

「百鬼夜行だ! 百鬼夜行だ! なんて素敵もない名画だろう!」

獣人族は平気であった。一切耳を藉さなかった。うんと威張って進んで行く。

こうしてとうとう一隊は、宮殿の前庭まで入り込んだ。

大玄関には麗人達が、礼儀を作って並んでいた。いずれも城の役人達で、みんな式服を着していた。

馬から下りた荒玉梟帥は、つかつかと前へ進み出たが、

「嫁迎いだ! 嫁迎いだ! 獣人の酋長荒玉梟帥、自身受け取りに参ってござる!」吠えるように云い入れた。「いざ此方へ」と云ったのは、侍従頭の吉備主であった。

ワーッとばかりに獣人どもは、荒玉梟帥を先頭にして大広間の方へなだれ込んだ。