Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
三
御用邸を中心に海岸一帯の別荘は、赤い屋根、白い屋根、とりどりに浮き出すように、まぢかに見えた。
「あれが長者ヶ崎。」
京子がこの別荘の立っている海岸と相向いてこの湾を抱いている老松の生えている岬を指さしたとき、階下でけたたましく電話のベルが鳴った。
三
「おや電話がかかって来たのね。家からかしら。」
京子が、ちょっと不思議がっていると、階下からさっきの女房が上って来た。
「あのお嬢さま。あの東京のこちらのご主人から、お電話でございますの。」
「そう!」
京子は、階段を降りながら、昨夕今井の留守宅へ電話をかけて、こっちへ来ることを断っておいたので、きっと今井がそれに対するあいさつをするだろうと思った。
「ああもし、もし。」
「ああ京子さんですか。先日はどうも失礼いたしました。」
京子は、自動車の中の出来ごとを思い出したので、ついおかしくなるのをこらえて、
「いいえ。」
「昨日は、またどうもお電話をありがとうございました。今実はお宅の方へ、電話をおかけしたのですが、もうとっくにそちらへいらっしゃったとのことでしたから。あれきりご立腹になって、つきあって下さらないことかと思っていました。