Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
四
だが、倭文子の姿が見えないのを知ると、安心して階段を上った。
倭文子は、ベランダのてすりに身をもたせて、遠く天城の連山をながめていた。そのさびしそうな後姿が、京子の良心に、ホンの少しばかりこたえたが、彼女は苦笑でまぎらせて、親しげに倭文子の傍へ寄ると、すれすれにてすりに身をもたせた。
「今井さんが、別荘を使って下さって、光栄ですって。倭文子さんにもよろしくって。」
「そう。」
「わたし達のいる間に、一度来たいんですって。」
「まあ。」
「誰がいやなことと思ったので、わたしハッキリ断っておいたのよ。でも、図々しいから、わからないわ。」
「おいでになったら、困りますわねぇ。」
倭文子は、その場合の当惑を予感した。
「いいのよ。あんな人、わたしがうまくあしらって、すぐ追い返してしまうわ。おほほほほほ。」
京子は、五月の海のようにさわやかに笑った。
四
その晩、京子は倭文子が寝た後、自分一人書斎へ行って、手紙を書いていた。三四度、かき直した後、やっと次のような原稿が出来上った。
幾度も幾度も、思い返しましたが、やっぱりお手紙を差し上げて、私の心持をハッキリ申し上げておいた方が、私の心のかなしみを、少しでも少くするように思いますので、思い切ってお手紙を差し上げます。