Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
「どうぞ、おゆるし下さい。」
村川は、重ねて頭を下げた。
京子はそれを見ないで、目を本箱の大英百科全書の方へやっていたが、ひとり言のようにいった。
「そうね。間違って、ある女を接吻する。そして間違いだといって、つきはなす。そんな冷酷無残な話があるかしら。たとえ間違ったにしろ、女の面目を立ててもらいたいわねぇ。ほんとうにわたしの心をいたわってくれるのなら、何とかおっしゃりようがあると思うわねぇ。接吻をした三分間の間だけでも、本当に愛していたといってもらいたいわ。あなたのちょっとした失策のために処女の誇りを失ってしまったわたし。まだ、色魔のために傷つけられた方が、どんなにうれしいか知れないわ。色魔だって、接吻をするときは、その、女に本当の愛が動いているでしょう、わたしに対する何の愛もなしに、あんなことをされたかと思うと。くやしい! くやしい! あんな接吻される位なら、乞食にだって、泥棒にだってキスされた方がまだいいわ、その方がまだあきらめがつくわ。くやしい!」
彼女は、そこまでいってくると自分の言葉で、激昂したと見え、着ていた縮緬の羽織の袖を口にくわえてベリベリと引きさいた。