Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
「あっ!」
倭文子は、心の底から、悲鳴とも歓喜ともつかない声をあげると、男の懐に身をなげこんだ。
「どうしたというのです、これは。」
それは、激昂している村川の声だった。彼は、昨夜と今宵と、倭文子に会う少しの機会でもないかと、別荘の周囲を、夜盗のようにうろつきまわっていたのだろう。
そうきかれると、倭文子はわっ! と泣き出した。冷えきった彼女の身体の激しいふるえが、村川の胸に感ぜられた。
ちょうどそのとき、今度は反対に、
「何をするのだ、貴様!」
彼は後から、右の頬を思いきり烈しく打たれた。
彼は、余りのうれしさに、後にいる敵を忘れていたのである。
「なにをする!」
振向くと、宮田が真青な顔をして、立っていた。宮田は、村川だと知ると、ちょっとおどろいたらしいが、擬勢は少しもくずさなかった。
「君は村川じゃないか。」
「そうだ。」
「君は、僕と知って打ったのか。」
「そうだ。」
二人は、初めて敵となって、相対した。四つの視線が中途で、烈しく斬り合った。
「どうして打ったのだ。」
「倭文子さんに、手荒なことをするからだ。」
「馬鹿! 僕が、倭文子さんの無分別を止めているのがわからないのか。