Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいにのせっぷん

第二の接吻

菊池 寛

Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme

Aozora Bunko

二

きちが、蒼い顔をして玄関へ出迎えた。

「まだ、帰って来ない?」

「まあどうしたのでございましょうか。」

京子は、それに答えないで、階段をかけ上った。そして、自分達の部屋のドアをあけて、中へかけ込んだ。一番に倭文子の寝台の周囲を見まわした。そこに倭文子の持物は、何一つ残っていなかった。その上、彼女の衣類を入れたスーツケースが、向うのソファの上から影をかくしていた。

「駆落ち?」

京子は、頭の中で考えてみた。だが、宮田と倭文子とがエロープするような原因は、何一つ考えられなかった。

彼女は、自分達の部屋を出ると、向う側の宮田の部屋を見た。きちんとしかれていた寝床の傍のみだれ箱の中に、宮田の持物全部、時計や財布までが入れてあった。

「心中でもなすったのではございませんか。」

「馬鹿なことをおいいでないよ。」

そういって、京子はきちをたしなめたものの、自分の頭にもそれ以上に合理的な想像は浮んでこなかった。

二

京子の頭の中の想像の輪は、どうしてもつながらなかった。宮田が、倭文子に失礼なことをしたので、倭文子が自殺する。それを悔いて宮田が逃げる……とすれば、倭文子の持物は全部残ってい、宮田の持物こそ全部無くなっていなければならなかった。