Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
四
だが、捨てておくと、二人は死ぬのかしら、死ぬのはいいが、一緒に死なせるのは口惜しい。何の仕返しもしないで、二人を一緒に死なせるのは、どう考えても口惜しかった。といって、絃をはなれた矢のように、行方知れぬ二人をどうすることも出来なかった。
何事も自分の思い通りに振舞って来た京子も、生れて始めて、どうにも出来ない口惜しさに身をもがいた。
四
村川と倭文子とが、一緒に箱根の芦の湖に身を投じたのは、葉山を去ってから四日目の深夜であった。
村川は、その前に幾度もなだめすかしたが、彼女はひたすらに死を求めて止まなかった。初めは、宮田の死を確めてからということだったが、おしまいにはそんな条件ヌキに倭文子は死を求めていた。生きて京子と会ったり川辺家へ帰って来ることが、彼女には恐ろしいことであったのだろう。
村川は、あまりに反対すると、倭文子はそっと抜け出してでも死にかねない容子を示すので、村川もとうとう自分自身を捨てて、彼女への愛に殉ずる覚悟をした。倭文子は、自分一人死ぬといって村川を拒んだが、しかし彼女は最後まで拒み切るほど強くもなかった。
小舟から、一緒に水に投ずると同時に、覚悟を極めていた倭文子はすぐ窒息していた。