Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
二
二
村川に頼まれたウェイトレスは、気軽に小石川の五百三十六番を呼び出した。
「あの、お宅に山内さんのお嬢さんが、いらっしゃいますか。……ああそうですか。どうぞお電話口まで。」
村川は、心配になって電話の傍へ行って立っていた。
「お待ち遠さま。」
ウェイトレスは村川をからかった。
だが、倭文子はこっちの名前も訊き質さないで電話に出た。
「お出になりました。」
そういって、ウェイトレスが受話器を渡してくれたとき、村川は胸がつまって、咄嗟に言葉が出ないほどだった。
「倭文子さんですか。僕です。村川です。」
「ええ。」
倭文子は、あるかないかの小さい声で返事した。
「僕の声がわかりますか。」
「ええ。」
「昨夜は失礼しました。昨夜はあなたは、どうなすったのです。あすこへ来て下さったのですか。」
倭文子は、何とも返事しなかった。
「偶然京子さんがあすこにいたのです。ご存じですか。」
倭文子は、何とも答えなかった。
「もし、もし。もし、もし。」
「ええ。」
倭文子は、かすかに返事をした。
「僕は、あなたに今すぐにでも、お目にかかりたいのですが、家では安心して、お話が出来ないのです。