Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
今では必ずしも、そうでない。花柳界の女性に食傷している彼は、こうしてすれすれに坐っていると、京子の処女らしい香いと魅力とで、なやましくなってしまう。彼は着物を通じて、彼女の両肩や乳房のあたりのはり切った瑞々しい肉体になやまされるのだ。白い頬など、つやつやして輝いている。
その上に、彼女に見る女性としての品位、尊厳、それは、金力の前に媚を売る女性などにはとうてい見られない精神的装飾だ、そうした品位や尊厳や、処女としての羞恥を一枚一枚はいで、そうして彼女のあらゆる真実を自分のものにするのでなければ、女性猟人の対象としては、面白くないのだった。
彼は、こうした女性を相手としてこそ、どんな面白い恋愛冒険でも出来ると思っていた。
尾張町を過ぎると、京子は直接に運転手に命じて、車を止めさせた。
「ちょっと、お待ち下さいませね。」
そういって、フェルトの草履で、軽く歩道に降り立った。一人残った今井は、どうして彼女を一刻でも長く自身の傍にひきつけておくべきかを考えていた。
「お待ち遠さま。」
京子は微笑しながら帰って来た。
「お邸へですか。」
運転手はそう訊いた。
「そうだね……」