일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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おうしゅうきこう

欧洲紀行

横光 利一

横光 利一의 欧洲紀行(おうしゅうきこう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 120,107자 · 241화면

아오조라 문고

八月十日

この公園は菩提樹の大木鬱蒼として昼なお暗き所である。そこでビールを飲みつつ英国の話を聞く。脇村氏は篤実温厚な人、学者の臭味少しもない。

八月十日

シベリヤを廻る準備のため、城戸夫人と二人で買物に街へ出る。ヨーロッパも今日一日で最後になるのだ。しかし飽きたということは恐ろしい。私は何の未練もも早やヨーロッパには感じない。私はヨーロッパを知ったか知らぬか反問さえもしないのだ。しかし見ただけのものは確かに見た。私は眼にしたどこ一つとして忘れていない。私はパリーの屋根に生えていた草の陰影まで明瞭に覚えている。今にして私は私の近眼でなかったことを幸いと思う。ただこれの表現が困難なだけである。

それにしても私は人間の頭脳というものが、かくも膨大な風景をその組織の中に入れ得られるということに驚きを感じる。私は人間の頭に驚いているのだ。このような驚異は私にはかつてなかったことである。記憶が複雑になれば人間の行為もそれに従って複雑になるのは必定だ。私は日本に帰れば、この記憶をどのように仕舞い隠して言葉を人々に言わねばならぬか、も早やここまで来れば眼を瞑るより仕方がない。