후리가나로 읽는 일본 고전
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おうしゅうきこう
欧洲紀行
横光 利一
横光 利一의 欧洲紀行(おうしゅうきこう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 120,107자 · 241화면
八月十九日
世界の話というものからよせ集めた知力が、つまりわれわれの知っている論理である。この誰もの信じている論理からどれほど多くのことが洩れているか。否、むしろ、洩れているものの方が、知っているものよりどれほど多いか。こういうことに気附いたとき、この者は馬鹿になる。これは懐疑主義というがごとき、言語心理学的な間延びのした知的なものではない。
万国共通の論理というものがある。これも同様に人間の不完全性から押し上げて来た電流のようなものだ。その証拠にこれが絶えず変るのは、知性の極がどこにあるのか分らぬという危険さを示したことだ。全く何も分らなくなった安全さ――この頭からばかり弁証法という知力が出て来た。私はヨーロッパを廻って来た人で、おのれが賢明になったと信じる人の頭を疑う。
八月十九日
もうすぐに満洲里だ。ジンギスカンを出した人種はバイカルからこのあたりにかけての人種である。まことに恍惚とする黄緑色の地の起伏のゆるやかな美しさ。人家の一つも見えぬ緩慢なスロープの谷間には、白い羊の群れの移動するのが雲のように見える。何事が起ろうとも平然としてにこやかな蒙古人の顔が、野の中に立ってわれわれの汽車を眺めている。