일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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おうしゅうきこう

欧洲紀行

横光 利一

横光 利一의 欧洲紀行(おうしゅうきこう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 120,107자 · 241화면

아오조라 문고

六月十七日

集るフランス人の話はすべて罷業の話ばかりだ。殊に興味あるのは、罷業のために潰れる資本家を、政府が潰さぬように援助を与えつつ、労働者の罷業を進めていく難事なやりくりに関しての、一同の注目である。

ピカソが左傾をしてバスティユ騒動の壁画を描くという話が、ひそひそ話の中に出る。これはパリー人の誰も知らぬ事だが、ピカソの友人の女流詩人が私の横にいて、この夜ツァラアに囁いていた話、嘘か真事か、私の知る限りではない。

六月十七日

パリー出発。ストラスブルグへ。東京からパリーまでは一人旅と云っても連れは多い。しかしこの度の五ヶ国の旅行は、私一人の旅立ちなので、何事が行くさきざきの国にあろうかと興味も多い。ストラスブルグまでの沿線は、フランスの中のことだから変りもないが、行く先き十二の国境は、今も昔も変りのない国々の関所である。薄白いフランスの土の色が、次第に鮭の肉のように赤くなって来る。赤松が多くなる、石炭が多くなる、牧場は工場に変って来る。

午後七時、ストラスブルグ着。アルサスの首都――鶴が煙突の上から人間の子供を持って来るという、西洋の云い伝えは、この街が起りである。