후리가나로 읽는 일본 고전
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おうしゅうきこう
欧洲紀行
横光 利一
横光 利一의 欧洲紀行(おうしゅうきこう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 120,107자 · 241화면
六月三十日
何を好んで、博物館に入る必要があろうか。私はそれだけ時間があれば、街と丘とを馬車で馳け廻ろうと思う。
ダンテの生れた所、ダヴィンチ、ボッカチオ、マキアベリ、ジオット、シマブエ、セリニ、皆この街で生れている。その他天才雲の如く現れたフロウレンス市中を流れるアルノの河岸を馬車で通る。丁度、ダンテがビアトリイチェを見た橋の上へかかって馬車をとめたが、橋の上には、ビアトリイチェも、今はお洒落な軍人と並んで歩いている。河は水が少しも動かない。沼のように森閑としたアルノ河は古雅な建物と雲とを映したまま、死んでいるかのようだ。波もなければ舟もなく、人もいない。馬車の蹄のかつかつと石を鳴る寂しさは、あたかも柩に釘を打つごとし。
夜、再び馬車で通る。公園のマルモの樹間には、蛍がいっぱいだ。馭者は四辻の立像を指差し、くつくつ笑いながら、ジョージ・ワシントンと云う。なるほど、ワシントンの立像が、どう云うものだか、こんなところで光っている。私が笑うと馭者は一層げらげら笑って鞭を振る。
六月三十日
出発に先立ち、博物館を廻ってみる。パリーで買ったイタリア名画の版画の本物は皆ここに並んでいる。