후리가나로 읽는 일본 고전
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おうしゅうきこう
欧洲紀行
横光 利一
横光 利一의 欧洲紀行(おうしゅうきこう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 120,107자 · 241화면
三月十六日
マラッカ海峡通過のときを振り返ると、たしかにあのときは、船客の頭は同様にロマンティックになっていたのだ。人間の心理というものはどんなに自分を確かだと思っていても始終どっかに狂いのあるものだ。
三月十六日
晴。午前九時すぎにアフリカの東端、サマリランドの一角が左に現れる。初めは雲の如く、次ぎには雪を戴いた山の如く、次ぎには樹木のない岩山になって来た。いかにもアフリカらしい。断崖の上には燈台一つあるきりだ。この壮観さは九時から十二時まで間断なく左舷に続いた。けれども、最初見たときに歎声を発した人々も十分とは見ていない。すぐ将棋にかかる。やはり政治の方が面白いのだ。その癖あの山々の向うでエチオピアの戦のあるのを誰一人口にしない。
下の機関室から油だらけになった火夫らしい若者が上って来たのに、サマリランドを指差して、あれは何という島ですかと船客の一人が訊ねた。「いつも通っているが、何んだか私ら知らんね。上の豪い人に訊くと分ります。」と云う。
アフリカも知らざる火夫の声低し
夜の九時から十時まで、一番上のブリッジへ登り、日本から見ることの出来ぬ星ばかりを探す。