후리가나로 읽는 일본 고전
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おうしゅうきこう
欧洲紀行
横光 利一
横光 利一의 欧洲紀行(おうしゅうきこう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 120,107자 · 241화면
七月廿九日
云われたままに横を廻ったがどの建物だかよく分らぬ。ところが、後ろからまだ私を見ていたものと見え、老婆がまた馳けて来て、
「そこそこ、そこを這入って三階へ上れ。」と云う。
身なりのあまり美しくない老婆だが、一つの国で、ただ一度でも良いこのような親切さを受けると、大きな出来事に逢ったような気がするものだ。私はドイツがどのようなことをしようと、この老婆を思うと国の不評が私から遠のいていくのを感じる。私はこれを私の無知だとは思えない。国と国民とは違うという簡単なことがなかなか他人には通じぬものだ。私はパリーでは一度もこの老婆のような人には出逢わなかった。
七月廿九日
パリーから十八の姪が来るというので女主人は嬉しそうだ。ベルリンの娘は十八ならもう大人と同じ事をしているが、パリーの姪はまだほんの子供ですよという。私の隣室に日日新聞のパリー特派員城戸又一氏夫妻がいる。城戸氏は社務に多忙なため、私は夫人に何から何までお世話を受く。まことによく気のつく頭の良い夫人である。フランス語も上手で感じの良い人だが、この人は先日パリーへ日本から来たばかりにも拘らず、パリーは長くいる気はしないがベルリンならいつまでだっていられると云う。