일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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おうしゅうきこう

欧洲紀行

横光 利一

横光 利一의 欧洲紀行(おうしゅうきこう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 120,107자 · 241화면

아오조라 문고

八月十三日

ロシアは平原ばかりである。日本の幾十倍の平原の連続。これがみな草ばかりだ。荒涼とした草の奇怪さ。私は草ほど人を愚かに見下げているものはないという気になって来た。どのような高度の文化も草には敵うものではない。自然というものはロシアでなければ見られない。ここには技巧は皆無である。技巧の皆無という平原は日本人の頭には浮びようがない。私はさながら馬鹿のようにきょとんとしているだけだ。

ロシア文学の尨大さは自国のこの草と競争しているようなものだ。ここでは尨大の外何があるのか。人間が地上に立って望み得られる視野は六哩四方だ。ところがここでは、森と草原を含んだ六哩四方の空間が坦々としてどこまでも走るのだ。

午前十一時、モスコウ着。

モスコウの街には河を中心としてなだらかな起伏がある。大草原のただ中の、ここに一つの街を造った人々も、最初は必ずこの地の起伏と水に心をひかれたからであろう。一つの小さな起伏も、この平原の人々にとっては人間らしい唯一の楽しい変化である。

白濁した河の向うの塵埃の多い淡褐色の丘の上に、金色に塗られた丸いクレムリンのドウムが見える。ここの市民は樹木の愛がないのであろうか。