일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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おうしゅうきこう

欧洲紀行

横光 利一

横光 利一의 欧洲紀行(おうしゅうきこう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 120,107자 · 241화면

아오조라 문고

三月廿五日

このあたりから、今まで英語の上手かったものが、引っ張り凧の歓迎を受けたのに、そろそろ仏蘭西語の巧みな者が、尊重され始めて来る。小さくなっていたフランス語が、妙に大きくふくれて来るのだ。一般人心の中で、英語と仏語の闘争も、地中海のようなものだ。ところが、奇妙なことにも、今まで少しも気づかなかった事だが、われわれの心底の中には、「ふん、何が地中海だ。」という肚が、不意に出始めて来るのである。これは圧えに圧えてもどこからか隙間風のように出て来るものだ。

こんな心理がもぞもぞし始めたら、もう旅行記というものは安全に書けるもんじゃない。恐らく、私は幾多の無益な闘争をこれからしつづけねばならぬことだろう。困ったものだ。

三月廿五日

曇。初めてヨーロッパの市街を見た。イタリーの先端、メッシナ海峡にさしかかって、左岸にシシリイ島のメッシナ、右岸にレジア、門司、下関という距離だ。海峡には渦が巻きひどい急流である。海峡を渡りつつあるときにはオーバーを着たが、渡り終るとまた温かになる。つい二三日前までは夏服でも暑い暑いと云っていたものが、急に煽風機が停り、今日からはスチームが部屋に通っている。