후리가나로 읽는 일본 고전
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おうしゅうきこう
欧洲紀行
横光 利一
横光 利一의 欧洲紀行(おうしゅうきこう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 120,107자 · 241화면
六月廿八日
同日
六月廿九日
この島には、生活の苦しみは、ベニスから押しよせては来ていなかった。明るい日光の中に葡萄が実り、花が乱れ、鶏がいる。ふと建物の窓から中を覗くと、婦人はみな気品豊かな顔をして、汚い衣をつけ、麻に刺繍をして黙っている。
六月廿八日
ベニスの雨。――朝から細雨だ。午後ホテルを出て、停車場まで行かねばならぬのだが、ここは水路でタクシーが一つもない。蒸気に乗ったまでは良かったが、どこが停車場だか少しも分らず。
同日
七時、フロウレンス着。日の暮れぬ間にホテルの周囲を歩いてみる。ここもタクシーが少く、街にふさわしい馬車が多い。街は店を閉めてしまった後なので、石壁ばかりのような気がするだけだ。私は疲れながら、汽車の中で買った弁当の鶏が忘れられず、しきりにまた鶏を探して歩く。
六月廿九日
フロウレンスの街は丘陵に包まれた盆地にある。周囲の丘の頂上は、すべて寺院だ。緑樹豊かな中に遠望される寺院の美しさに、ともかくそこへと動かされ、タクシーをとる。イタリアの名画で、しばしば見た風景ばかりの連続である。いかなる名画も写生が基調をしているのだ。擦れ違う婦人たちにしても、フロウレンスの婦人は、ラファエロやチチアンの画中の人そっくりなのが多い。