후리가나로 읽는 일본 고전
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おうしゅうきこう
欧洲紀行
横光 利一
横光 利一의 欧洲紀行(おうしゅうきこう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 120,107자 · 241화면
道理であろう。この意識の休止所を模索する手先にひっかかって来た場所として、ヨーロッパ人の前に濃厚に現れて来たのは支那である。支那の中でも北京は他のいかなる都市よりも安眠に適している。この都会は死体と同様分析不可能な場所であり、たとえ分析したところでそれは死をするに等しい無意味である。北京の美しさの意義はこうしてわれわれの前に死のごとく現れたのだ。それは全くパリの老齢の静けさとは違っている。
私はパリを思い泛べ、北京を思うごとに二つの言葉がまた自然に私の頭の中に浮んで来る。一つは人から聞いた話であるが、支那の江西派の禅師馬祖道一が坂を歩いていて生爪を剥がしたとき「われ在るに非らざれどこの痛み何処より来る。」と言ったのと、他の一つはフランス人であるデカルトが、兵隊となりノイブルグの戦場で兵士の斃れたのを見たときに、「われ想う故にわれ在り」と感じた言葉である。この東洋人と西洋人の観じ方の解釈は人さまざまであろうが、私には、「われ在るにあらざれど」と、自分の脳中の観念を殺し、痛みそのもののみを現実として素直に感じた東洋人の馬祖と、死を見て、「われ想う」と脳中の観念に思わせることのみを現実とする西洋人のデカルトの分析力との相違が、現代という東西の力の現れとなって、今もなお進行しつつあるように思われる。