후리가나로 읽는 일본 고전
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おうしゅうきこう
欧洲紀行
横光 利一
横光 利一의 欧洲紀行(おうしゅうきこう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 120,107자 · 241화면
三月十八日
三月十九日
喜びなんかどこにもない。洋行などという洒落はあれは曳かれものの小唄である。しかし、このような真綿で首を絞められる刑罰を受ければ、誰だって自慢でもしなければやりきれたものではあるまい。「あちらでは」と云いたがるのも実はあれは苦痛の表現にすぎぬのだ。
三月十八日
今ごろ東京の真ん中で退屈で何とも仕方のない人間は、大往生をしているようなものだと思う。
自分の行為が分らなくなり、自意識過多に落ち込んでいるものは一番やくざな蛮人と同じだ。巨大な太陽と限りない碧空とを見なければ頭が下らぬのである。
私がもしコロンブスの水夫だったら彼を海中へ抛り込んだだろう。
三月十九日
晴。外人たちは本国が近づいて来たので皆嬉しそうだ。日本人の乗客はせめて船中でなり我儘でもしなくちゃするときがないと、ようやく実行にうつしかけたころだ。神経衰弱の徴候はそろそろこのあたりから現れ出すと見える。夫人同伴の人々は皆元気が良い。若い役人たちは外国へやられる事は受難だと思ってあきらめていると云っている。ある人は外国へ行くのは良いが、帰ってから自分の夫人が有難くなって大切にするようになるから、それに注意せよ、役所の勤めがおろそかになる、と上役から訓戒を与えられたそうだ。