일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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おうしゅうきこう

欧洲紀行

横光 利一

横光 利一의 欧洲紀行(おうしゅうきこう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 120,107자 · 241화면

아오조라 문고

六月九日

六月十日

大きな百貨店はどれも大戸を降ろしているが、こうなれば一度はどの店も罷業をして行くにちがいあるまい。長年忘れていた大掃除をするように、掃除を終った店からまた開業をやっていく。埃りが通行人の顔に少しもかからぬところは流石にフランスだと思う。

六月九日

スペインかイタリイへ旅行に出ようと思うが、パリーの罷業を見終ってからにしようと、また腰を据える。巴里へ来た人はこの地の歓楽場の話をよくしたものだが、そんなものはあるにはあっても、歓楽場でもなんでもない。皆ここのは仕事場だ。歓楽を仕事とする。もとより東京とて同じであるが、ここのは真面目な仕事であるから、一層歓楽が白熱する。考える暇など与えては、仕事にならぬ四苦八苦の策謀が、産業のように着実な火花を散らす。も早やこれはデカダンではない。殺気漲る手術室だ。

六月十日

罷業はますます拡大している。しかし、もう皆忘れてしまったようだ。大火が続くと、傍に燃えている火の事など、誰も忘れてしまうようなものだ。

フランスがソビエット化する事は、ヨーロッパにとって、一大事件に相違ない。しかし、ここは容易に染色するまい。それよりむしろ、全く反対の独逸の方が、フランスの先手を打って、ソビエット化する多くの条件を備えているように思われる。