후리가나로 읽는 일본 고전
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おうしゅうきこう
欧洲紀行
横光 利一
横光 利一의 欧洲紀行(おうしゅうきこう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 120,107자 · 241화면
六月十二日
ほとんど巴里の中心を廻ってみたのだが、ホテルとカフェーとレストランは、どこも閉じて罷業である。夕食をとるのに困った揚句五六里も歩いたわけだが、頼みにして来たカルチェルラタンのイタリアの食事場も、主婦がにっこり笑って駄目だと云う。空腹だが仕方もない。ルクサンブールの公園の中へ這入り、冷たい鉄の椅子に腰かけ、暮れかかっていく空を見上げながら、東京のあれこれを考えていると、不意に婆さんが肩を叩いて、腰かけ料をくれと云う。眼の前でフロオベルの石像が空とぼけた顔をして、明日の天気を見つづけている。
六月十二日
食事は出来るようになった。夜、岡本太郎君が友人の家を訪問するから、一緒に遊びに行こうと誘ってくれたので出かけてみる。行く先はトリスツァンツァラアの家だ。ツァラアはダダイズムの始祖、及び超現実派の宗家であり、山中散生氏の邦訳もある詩人。家はモンマルトルの上にあり、豪奢なものだ。テラスにいると、客が十一人も集って来る。女流詩人が四五人と、カイヨワと云う作家、及び彫刻家のジャコメッティ等である。岡本君は驚くべき流暢なフランス語でよく話す。殊に知名なフランス人その他の外人と、堂々と対等の交際をしているところは、若くして異国で一家をなしている、氏の力量人物を知るに余りある。