일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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おうしゅうきこう

欧洲紀行

横光 利一

横光 利一의 欧洲紀行(おうしゅうきこう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 120,107자 · 241화면

아오조라 문고

午後六時ブダペスト着。――ヨーロッパへ来てどこが一番面白かったかという話が出る度に、異口同音にブダペストと誰も云う。ここはブダとペストが河を挟んで合している街。ハンガリアの総人口八百万のうち、百六万人がこの都で生活している。ペストの平原に対してブダは対岸の緑樹鬱々とした丘陵である。この丘陵の下ダニューブの河岸半里の間に、高温の自然温泉が百二十もある。しかも市街の真ん中だ。この地の理想を一手にかね備えた街を各民族が取り合いしないという筈はない。二千年この方争奪の絶え間なき所以だ。

ジンギスカンにとられ、トルコにとられ、オーストリアにとられ、いままたイタリアの手が八分まで延びている。ハンガリアの曠野は真紅の葵の花がシンボルだ。コンパスでヨーロッパに円を描くと、中心がブダペストの上に刺さる。海岸線を一つも持たず、兵力の集中をどちらの国境に向けて良いのかうろうろしなければならぬ民族というものは、その絶え間もなき悲しみの結果、生活の享楽に唯一の道を発見する。殺戮に次ぐ殺戮が、戦国時代の無教養を民衆に強いた日本のごとく、ここでは、無に代って慰楽の道が強いられたのだ。