일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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おうしゅうきこう

欧洲紀行

横光 利一

横光 利一의 欧洲紀行(おうしゅうきこう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 120,107자 · 241화면

아오조라 문고

国境の駅からは鎌と槌とを打ち違えた紋章が鮮かに浮いて来る。

これがソビエットかと私は思う。白樺がだんだんと増して来る。原始的な野の緑の色が濃くなって来る。沿線の人々の顔色には自信と思想が加わってヨーロッパから来たわれわれの年老いた国際列車を無意味な風のように眺めている。あたりの風景は、太古の森林地帯にいきなり近代科学の流れ込んだ突飛さだ。その中で落ちつき払っている人々の様子は、も早や再び家へは戻れぬピクニックの光景である。丸木を積み重ねた小舎のような家にも、簡素な満足に浸っているのであろうか、静かな諦念と笑顔を見せぬ一味の清新な憂鬱さが空気の中に漂っている。

午後六時、ネゴレエ着。われわれはここで汽車の乗り換えだ。旅券もここで取り上げられる。荷物の検査も厳重だ。ドルもルーブルに十枚替える。金銭の換算率――これこそ世界の平和を乱す曲者だ。もしこの換算率に変化がなければ世界はどんなに幸福であろうか。世界の民族の一切の心理もすべてこの中に含まれているのである。数学が天文学に使用されることと、金銭の換算率に使用されることとの差は、天と地との相違である。地獄と極楽との違いである。