후리가나로 읽는 일본 고전
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おうしゅうきこう
欧洲紀行
横光 利一
横光 利一의 欧洲紀行(おうしゅうきこう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 120,107자 · 241화면
ここは街から遠くはなれたところ多摩墓地に似た一角の赤松の林に取囲まれたデーベリッツである。裏門から入るとアントワープという家屋に日本の旗が立っている。写真でよく見た吉岡氏、ベンチで陽に当り初秋のような雲行を眺めている。屋内には人もいず、森閑としている。廊下に砲丸が転がっているばかりだ。白樺の林のなかに米国選手の宿舎がある。一帯の風景は軽井沢に似ていて裏葉をかえした白樺の梢が日光にきらめき、はればれとした芝生の丘に細く道が曲っている。メトカルフがただ一人麻地の背広で胸をはり坂を下って来る。傍の池には白鳥がうかんでいる。淡紅色の花の群の微風にゆらめきわたる花壇、流れ降る緑の野、森の間には鶴も自由に歩いている。歩を移すごとに迫る競技の日のことなど遠い昔の日のようにのどかとなり、視界は拡がり空気は清澄、人かげ稀で樹間からわずかに隠見する屋舎の紅い瓦は平和な楽園を思わせる。競技場はベルリンの郊外一里のところにある。灰白色の方円の底に緑の芝生をとり囲む紅瓦色の楕円が水をかい出した池のようだ。そこの芝生でリーフェンシュタールが青い旗を持ち活動の準備をしている。