일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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おうしゅうきこう

欧洲紀行

横光 利一

横光 利一의 欧洲紀行(おうしゅうきこう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 120,107자 · 241화면

아오조라 문고

私はここの月ほど驚くべき大きな月を見たことはない。前から西洋の婦人は北京の秋の月を見ると狂人になるものが多いと聞いていたが、なるほどここの月の大きさは月というべきものではない。虚空に現れるものが絶えずこのように大きくて赤ければ、人間の精神は現実から放れてしまう。支那の優れた人間の分析力が天文に集ったことも、一つは思いが我を放れて空へと集った結果であろう。或いは支那人の精神の原点はこの月に潜んでいるのかもしれぬ。それなら五穀豊穣を天子が空に祈った天壇の構想力も分って来る。宮殿の広場も屋根の甍の圧力も、月や星を支える地上の力と頼んだ現れと見ても良い。

人間が地上に棲んでいるからは、文化の構想力の中の必ずどこかに生命力を支える原点がなければならぬ。日本では見る物ことごとくを原点としているかのごとき太陽の光線にあるのではなかろうか。しかし、今は日本に数え切れぬほど種々さまざまなものが這入っている。それをそのまま入れしめてそれぞれの本質を失わしめぬ日本人の自然さは、これを小なる世界と見ても良い。この中には分析力の中心を造ったフランスの原点であるX線の交錯点もあり、ギリシャのユウクリットから流れを引いたと云われるドイツ流の綜合力もあり、支那や印度に源を発する死の認識論もある。