후리가나로 읽는 일본 고전
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おうしゅうきこう
欧洲紀行
横光 利一
横光 利一의 欧洲紀行(おうしゅうきこう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 120,107자 · 241화면
北斗と反対にある南十字星は、まだ水平線の上僅に登っているきりだ。時間とともに水平線はこれら天界の星座を左方に拡げて廻っていく。星は滴らんばかりだ。半時間も天上を仰ぎつづけていると、太古の憂鬱さと新鮮さとが身に滲み込んで来る。ふと下を見ると、私はほのかに灯をつけた羅針盤に肱をついている。真西を指した針の先がときどき波とともに五分ほど揺れつつ進んでいる。そのとき天上では、南極の方向をくっきりと指差す南十字星の柄が左方の水平線から登っていく。地球が円いというイメージを人間が獲得したということは驚くべきことだが、別にわれわれは、何の驚きも感じない鈍感な時代に棲んでいるのだ。それより愚かな事にも、私はこの大海の水が尽く塩辛いという事の方が驚くべきことに見えて来ている。この豊かな水にいっぱいの塩を与えているという現象――これは理由のない筈がないではないか。
アラビヤの波塩辛き末路かな
軍艦では海水から真水をとる機械があるそうだが、この水を飲むと皆下痢を起し、植物にこの水を与えると枯れるという。それだから人間だけが下痢を我慢してこれを飲み、植物には真水をやっているそうだ。