후리가나로 읽는 일본 고전
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おうしゅうきこう
欧洲紀行
横光 利一
横光 利一의 欧洲紀行(おうしゅうきこう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 120,107자 · 241화면
大通りを歩いていても、各国の外人たちは、買い物をすることも出来ず、鉄の網目の降りた飾窓を覗き歩いているだけだ。罷業をしないものは、お寺と警官だけになってしまった。
罷業が一段落をつげ、店の戸の開き始めた六月半ばになって、私はパリーを一人発った。アルザスからドイツのミュンヘンへ入り、チロルからウイン、ブダペストと延びて、ダニューブ河の河岸のホテルへ著いたときには、ハンガリアの曠野は、真紅の葵の花盛りだ。ヨーロッパの中で、一番に美しい都会は、パリーとブダペストといわれている。ハンガリアの都、ブダペストは、街も自然も人も美しい。しかも、市中の河岸半里の間に、百二十の自然温泉が、高温の湯を噴き上げている。この海のない国は、温泉の中に機械製の波を起し、磯に打ち上げる波頭を想像しつつ抜き手を切って喜び勇んでいる。
官庁や役所は朝の九時に早やひける。街の人々は朝から温泉に浸り、カフェーや踊り場は満員だ。カフェーといっても、街路樹の緑の下に、数町に亘る壮大なものが、いたる所に人を湛えて群れている。その中の一つに、ジャパンというのが、市中目抜きの場所にある。
日が暮れて夕月がダニューブの上にかかると、ジプシイの一団がハンガリアの歌を弾く。