일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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おうしゅうきこう

欧洲紀行

横光 利一

横光 利一의 欧洲紀行(おうしゅうきこう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 120,107자 · 241화면

아오조라 문고

人通りは少く、美しさは平凡で古く、何の目立ったものもないにも拘らず、ショウウインドウに出ている品物は、手袋一つにしてからが純芸術品ばかりだからだ。恐らく世界最高の通りであろう。パリー全市でこの細長いさびれた通りばかりが、パリーを私に最もよく物語るのだ。東京で云えば薬研堀から人形町の裏町へかけた所である。私は東京市中で純粋の東京の品物を売っているのは恐らくここだけだと思うが、これがパリー全市では、サントノレからボエッシイにかけた十町足らずのこの平凡な通りだけだ。その他は外国人や大衆の愛する町である。

私にも好きな通りがある。それはルクサンブール公園の外郭に沿った、オーグスト・コント通りだ。人は殆ど通らないが、夜のこの通りの美しさは、神気寒倹たるものがある。

一丈余りの高い鉄柵に沿って、黒々としたマロニエの太い幹が立ち並び、鬱蒼とした樹木の下をこつこつと稀に歩く人影が黙りこくっている。古い瓦斯燈が青く輝き、片側の建物は尽く窓を閉ざしている中を自分も黙々として歩く寂寥は物凄く身慄いのするほど美しい。ふと御影石の滑かな石垣に手を触れると、甘酸っぱい花弁の腐りかけたのが指先きに喰っついて来る。