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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
02 こけ猿の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 241,861 字 · 480 页
「うむ、われながら会心の出来だテ」
と、声にだして言いました。
そして、この手紙を見て、萩乃が胸をとどろかすであろう場面を想像して、左膳の胸もときめき、また、思わずあかくなった。ほんとに、かわいいところのある左膳、一生けんめいに書いたんですもの。
しかし、これで見ると左膳は、その柳生の埋宝を掘りだしたうえで、そいつをそのままかかえて司馬道場へ、入り婿に乗りこむ気とみえる。ますますもって容易ならぬ考えを起こしたものだ。
けれども。
そうなると、あの伊賀の暴れン坊、柳生源三郎との正面衝突は、まず、まぬかれぬところ……さっき萩乃の部屋の押入れの中で、ソッと聞けば、源三郎はもはやなきものだといったが――事実か?
左膳、源三郎を思いだして、その生死を案じわずらい、急にあわてだした。
「死んだ男から、女をとるなんてエのは嫌だなア。おい! 源三! おれがブッタ斬るまで、頼むから生きててくれよ」
と、胸のなかで大声に……。
七
苦笑をつづけた左膳、なおも心中ひとりごとをくりかえして、
「お前が死んで、そのおかげで萩乃をもらうなんてのは、どう考えてもおらア虫がすかねえ。