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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
02 こけ猿の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 241,861 字 · 480 页
三
この二人は、本郷の司馬家に押しかけ婿として、がんばっているはずの伊賀の暴れん坊にくっついて、この不知火道場に根拠をさだめ、別手にこけ猿をさがしてきたのだが……。
その、師範代玄心斎と大八が、深夜このただならぬ姿で、どうしてここへ?
と、口ぐちにきく一同の問いに答えて、
源三郎が急に思いたって、向島から葛飾のほうへと遠乗りにでかけ、門之丞の案内で、不安ながらもお蓮様の門をたたくと、思いがけなくお蓮さま、峰丹波の一党が、数日前からそこにきていた――。
殿にも膳部がはこばれ、自分達も別室で、夕食の馳走になっている時、となりの部屋からヒソヒソ声でもれてくる奸計のうちあわせに驚いて、この二人と門之丞が戸外の藪かげで乱闘の開始を待っているうちに、
月のみ冴えて、源三郎にたいする襲撃は、なかなかはじまらない。
ふと気がつくと、いっしょにいた門之丞の姿がないが、今にもここへ源三郎をおびきだして、峰丹波らが、討ちとろうとしていると信じこんでいる二人は、そんなことなどにかまってはいられない。
「早鳴る胸をしずめ、夜露にうたれて、ひと晩中その木かげにひそんでおったが……」