Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 350.912 Zeichen · 702 Bildschirme
「え。わしを佐渡と――」
老武士は、さも愕いたらしく、
「かような所で、ご存じの其許は、いったい誰じゃ。――わしはその長岡佐渡にちがいないが」
「ではやはり、佐渡様でございましたか。申しおくれましたが、わたくしは、この麓の九度山に住居しておる隠士月叟の一子、大助めにござります」
「月叟。……はて?」
思い出せない顔すると、大助は佐渡のその眉を仰いで、
「もはや父が、疾くに捨て去りました名にござりますが、関ヶ原の戦いまでは、真田左衛門佐と名乗りおりました者で」
「やあ?」
と、愕然、
「では真田殿――あの幸村殿のことか」
「はい」
「其許は御子息か」
「はい……」
と、大助は、その逞しい体に似合わず、はじらい顔に、
「けさほど、父の住居へ、ふと立寄りました青巌寺の坊さまのおうわさに、ご登山のよしを知り、ご微行とは伺いましたなれど、他ならぬお方のたまたまなご通過――それに道とてもこの麓のお通りがかり、何も、おもてなしはござりませぬが柴の門べで、粗茶一ぷく、さし上げたいと父が申しまする。そのためお迎えに参じましたので――」
「ほ。それはそれは」
と、佐渡は眼を細めて見せたが、供の縫殿介をふり顧って、