Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 350.912 Zeichen · 702 Bildschirme
三
きょうも、梅日和だった。
助九郎やら誰やら、馴染の家臣たちは皆、彼女の旅立ちを見送るべく、中門の両側に立ち並んでいた。
三
「そうだ……」
と、つぶやいて、助九郎はお通のすがたを見ると共に、側の者へいった。
「せめて宇治あたりまで、牛の背で送って進ぜよう。ちょうど、ゆうべは丑之助も、御城内の薪倉に泊っている筈――」
と、直ぐ呼びにやった。
「それはよい所へ思いつかれた」
と人々もいって、別れの辞は交わしたが、しばらくお通を引き止めて、中門のほとりに待たせておいた。
だが、やがて戻って来た侍のことばには、
「丑之助は、見当りません。小者に訊くと、ゆうべのうち、あの闇夜を、月ヶ瀬を越えて荒木村へ帰ったということでございます」
「……えっ。ゆうべのうち帰ってしまったと」
助九郎は、呆れた声を放った。
きのうの事情を聞いた者は、誰もみな、丑之助の剛胆さに、驚かない者はなかった。
「では、駒を曳け」
助九郎のいいつけに、小侍の一人はすぐ厩へ飛んで行った。
「いいえ、女の身で、お鞍などいただいては、勿体ない」
と、お通は辞退したが、兵庫も強いてすすめるので、
「では、おことばに甘えて」