Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 350.912 Zeichen · 702 Bildschirme
古今逍遥
一
「よい坊ンち……弟御かの」
と、頭を撫でて息子のほうを振顧って、
「光悦、山で喰べた麦菓子が、まだ、そなたの袂に、すこし残っていたであろ。この子にやって下さらぬか」
と、いった。
古今逍遥
一
光悦とよばれた老尼の息子は、紙につつんだ菓子を、袂から取出して、伊織に持たせ、
「残り物で失礼だが、よかったら喰べておくれ」
と、いった。
伊織は、掌に乗せたまま、どうしていいか、分からない顔つきで、
「おじさん、これ、貰っといてもいいの」
権之助にたずねた。
「いただいておけ」
と、権之助が、伊織にかわって、礼をのべると、老尼はまた、
「おことばの様子では、御兄弟でもないようじゃの。関東のお方らしいが、旅の道を、どこまでお越しなされるのか」
「果てない道を、果てなく旅しておりまする。お察しの通り、ふたりは肉親ではござりませぬが、剣の道においては、年はちがいまするが兄弟弟子の仲でござります」
「剣をお習いなされますか」
「はい」
「それは一方ならぬ御修行。師のお方は、どなたかの」
「宮本武蔵と仰っしゃいます」
「え。……武蔵どの?」
「ご存じですか」
答えを忘れて、老尼は、
「ほう……」