Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 350.912 Zeichen · 702 Bildschirme

Aozora Bunko

九

武蔵はむしろ、心待ちしていた消息でも手にしたように、

「どこで会ったか」

と、その宛名書を見ながら伊織に訊ねた。

「野火止の宿で」

と、伊織は答え、

「――あの、恐いおばばも、一緒にいましたよ」

「おばばとは、本位田家のあの年よりか」

「豊前へ行くんだって」

「ほ……?」

「細川家のお侍たちと一緒でね……詳しいことはその中に書いてあるでしょう。――先生も、油断しちゃだめですよ。しっかりして下さい」

武蔵は書面を懐中に仕舞う。そして伊織に黙って頷いてやる。だが、伊織はそれに安んぜず、

「小次郎って人も、強いんでしょ。先生は何か怨みをうけているの? ……」

と、それからそれへと問わず語りに、きょうの始末を、喋舌りつづけた。

やがて何十日ぶりで、草庵にたどり着いた。早速に欲しいのが、火と食物。――夜は更けていたが、権之助が薪や水をあつめる間に、伊織は、村の百姓家へ走ってゆく。

火ができる。炉を囲む。

あかあかと燃える一炉をかこんで、久しぶりに互いの無事を見合う楽しさは、波瀾に揉まれてみなければ汲めない人生の悦楽だった。

「あら?」

伊織は、袖口にかくれている師の腕だの、襟元などに、まだ傷口の割れている痣が幾つもあるのを見つけて、