Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 350.912 Zeichen · 702 Bildschirme

Aozora Bunko

五

「こんな素直な牛が、どうして暴れたものか」

下郎はすぐ牛の手綱を取って道ばたの木へ縛しつけた。そして、初めて合点のいった顔をして、

「おう、尻に大怪我をしておるわ。刀で撲ったような大傷。……道理で、これでは」

牛の尻を眺めて、彼がそう呟いている間であった。辺りの人だかりを叱って、追い払いながら、

「や。そちはいつも、胤舜御坊の供をしてみえる、宝蔵院の草履取ではないか」

と、そこへ立った侍がある。

急いで駈けつけて来たものとみえ、その言葉も息喘れに弾んでいた。柳生の城の木村助九郎なのである。

五

宝蔵院の草履取は、

「よい所でお目にかかりました」

と、胸に掛けていた革文筥を外し、自分は、院主のお使いで、この書面を、柳生までお届けにゆく途中であるが、おさしつかえなければ、ここで御披見くだされまいかとて、それを手渡した。

「わしへか」

助九郎は、念を押して、手紙を披いた。きのう会った胤舜からの物で――読んでみると、

月ヶ瀬にいる侍どものことについて、昨日申し上げた儀は、その後よく取糺してみると、藤堂家の侍ではなく、浮浪の徒が冬籠りしていたものらしい。どうか拙僧の前言は誤聞として、取消していただきたい。