Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 350.912 Zeichen · 702 Bildschirme
六
沢庵も寝た。伊織も眠った。
だが城太郎は寝つかれなかった、獄窓にある師の武蔵のことが夜もすがら考えられて、すみません――と胸の上に掌をあわせて詫びた。
仰向いていると、眦からつたう涙が耳の穴へながれこむ。横に寝返ってまた思う。お通さんはどうしたろうか。お通さんがいたらよけい合せる顔がない。沢庵の拳は痛かったが、お通さんであったら打たない代りに、自分の胸ぐらを持って泣いて責めるにちがいない。
さはいえ、人には洩らさぬと、大蔵と誓った秘密は誰にも明かしようはない。夜が明けたらまた、沢庵から折檻されるかもしれない。そうだ今のうちに抜け出そう。
「…………」
城太郎はそう考えてそっと身を起した。壁も天井もない草庵は抜けるには都合がよい。彼はすぐ戸外へ出た。星を仰ぐ。急がないともう朝は近いらしい。
「――こら。待て」
歩みかけた城太郎は、後ろの声にぎょっとした。自分の影みたいに沢庵が立っているのだ。沢庵はそばへ来て、城太郎の肩へ手をかけた。
「どうしても、自首して出る気かの」
「…………」
城太郎はだまって頷いた。沢庵はあわれむようにいった。
「そんなに、犬死がしたいか。