Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 350.912 Zeichen · 702 Bildschirme
三
二人とも、しばらくは、見飽くことなく、お互いの姿をただ眺め合うばかりであった。
しかも、場所も場所。
武蔵にとっては、なんだか、この世の対面とも思われぬ心地がするのだった。
「――まず、その後の事ども、わしから話そうか」
と沢庵はいう。
そういう沢庵は、昔ながらの、粗まつな僧衣で、決して金襴も、珠も、飾ってはいないが、どこか以前の彼とは、風貌もちがっているし、ことばの角もまろくなっている。
武蔵が、かつての野育ちから洗われて、昔ながらの一野人でも、どこかに温厚を加えて来たように、沢庵もようやく、その人間に、風格というようなものや、禅家の深みを備えて来たものであろう。
もっとも、武蔵とは、年齢も十一も違う。やがて沢庵は、四十に近いのである。
「この前、お別れしたのは、京都であったのう。――京都以来か。あの折、わしは母の危篤で、但馬へ帰った」
こう語り出して、
「母の喪に服すこと一年、まもなく旅へ出て、泉州の南宗寺へ身を寄せ、後には大徳寺へも参じ、また、光広卿などと共に、世の流転をよそに、歌行脚よし、茶三昧よし、思わず数年を暮して来たが近頃、岸和田の城主、小出右京進が下向に同道して、ぶらと、江戸の開けようを、ありのままいえば、見物に来たのじゃが……」