Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 350.912 Zeichen · 702 Bildschirme
七
そうすれば、双方怪我なく事はすむ」
「ちッ。この青二才」
捩じあげた手をそのまま、足搦みに懸けて、前へ仆そうとすると、
「何を」
城太郎は、反対に、彼の力を利用して、その男を肩越しに投げつけた。
しかし、途端に、
「あっ……」
と城太郎も尻もちついて、右の太股を抑えた。
投げつけた男から、抜打ちに一太刀、ぴゅっと刎ねられたのである。
七
城太郎は、人を投げる技を知っていたが、まだ、人を投げる法を弁えていない。
投げられる相手も、生き物であるからには、ただ投げられたままではいない。途端に、刀も抜こうし、無手でも脚へしがみついて来る可能性がある。
敵を投げるには、投げる前にまずその考慮がなければならないのに、蛙でも叩きつけるように、脚下へ投げつけ、しかも身を退くことをしなかったので、
(してやった)
と、思った瞬間に、太股のあたりを薙ぎ払われて、彼もまた、相仆れに、負傷を抑えたまま、腰をついてしまった。
しかし、幸いに傷は浅かったとみえ、城太郎も跳ね起き、相手も立ち上がると、
「斬るな」
「手捕にしろ」
と、他の郷士が呶鳴って正面の相手と力を協せ三方から城太郎の体一つへ組みついて来た。