Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 350.912 Zeichen · 702 Bildschirme
二
佐渡は、眉を開いて、
「縫。不覚じゃったな。慌てぬようでも、慌てておるわい。――すぐ其方参ってお迎えして来い」
「はっ、承知いたしました。伊織どの、よう気がついたな」
「わたしも行く」
「旦那さま。伊織どのも、一緒にと申しますが」
「ウム。行って来い。――待て待て。武蔵どのへ一筆書くから」
佐渡は手紙をしたためた。そしてなお口上でもいいふくめた。
試合の時刻、辰の上刻までに、相手方の巌流は、藩公のお船をいただいて、船島へ渡ることになっている。
今からなら時刻もまだ十分。尊公にも、自分のやしきへ来て支度をととのえ、船も、自分の持船を提供するゆえ、それへ乗って、晴の場所へ臨んでは如何。
佐渡のそうした旨を受けた縫殿介と伊織は、御家老の名を以てお船手から藩の早舟を出させた。
ほどなく下関へあがる。
下関の廻船問屋、小林太郎左衛門の店はよく知っている。店の者に訊ねてみると、
「何か知らないが、先頃からお住居の方に、お若いお武家が一人、泊っていることはいるようです」
と、いう。
「ああ、やはり此家に」
縫殿介と伊織とは、顔見合せてにことした。住居はすぐ店の浜納屋つづきである。