Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 350.912 Zeichen · 702 Bildschirme

Aozora Bunko

二

群衆の残して行った竹の皮や紙屑が、ただ小さい旋風に吹かれていた。権之助は、ゆうべ床几を借りて寝た犬茶屋の土間の中を、そっと覗きながら通った。

すると、背中の伊織が、

「おじさん。――さっき山にいた女のひとが、この家にいたぜ」

「いる筈だ」

権之助は、立ちどまって、

「武蔵どのが縛られるくらいなら、あの女が先に捕まって行かなければ嘘だ」

といった。

たった今、家へ逃げ帰って来たお甲は、帰るとすぐ、有合う金や持物を身につけ、旅へ走る身拵えに慌ただしかったが、ふと、門に立った権之助の影に、

「畜生」

と、家の中から振り向いてつぶやいた。

二

伊織を負ぶったまま、軒下に立った権之助は、お甲の憎怨にみちた眼へ、

「逃げ支度かね」

と、笑い返した。

奥にいたお甲は、憤っと、立って来て、

「大きなお世話というものだよ。――それよりも、おい、若蔵」

「ホ。何だ」

「よくも今朝は、わたし達の裏を掻いて、武蔵へよけいな助太刀をおしだね。そして、わたしの亭主の藤次を打ち殺したね」

「自業自得。しかたがないというものだろう」

「覚えておいで」

「どうする」

権之助が、いうと、背中から伊織までが、