Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 350.912 Zeichen · 702 Bildschirme
六
と彼は、佐渡のことばを、思いのほか迷惑そうな態で、
「秀頼公のその御書は、太閤さまの御影と思えとて、大坂城のあるお方より、わざわざ下された物とて、粗末にもならず、懸げてはおきまするが……すでに太閤さまも亡き今日では」
と、さし俯向いたまましばし声をのんでまた、
「――遷りゆく世はぜひもござらぬ。大坂の御運がどうなるか。関東の勢威がどこまでゆくか。賢者でのうても、今は誰の目にも見えて来た時勢。――というて、にわかに節を曲げて、二君に仕えもならず――というのが幸村のあわれな末路。おわらい下されい」
「いや、御自身でそういわれても、世間は承知いたしますまい。あけすけに申そうなら、淀殿や秀頼君より、年々莫大なお手当もひそかに貢がれ、この九度山を中心に、其許が手ひとつ挙げれば、五千六千の牢人は物の具とってすぐ馳せあつまるだけの手飼の衆もあるとやら――」
「ははは、根もないことを……。佐渡どの、人間、自分以上に、自分を買われている程、辛いものはございませぬ」
「じゃが、世間のそう思う方がむりもない。お若い頃から、太閣さまにも、側近くおかれて、人一倍お目をかけられた其許。