Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 350.912 Zeichen · 702 Bildschirme

Aozora Bunko

四

武蔵は客が帰ると、

「これこれ、人のはなしに気をとられて、手を休めていてはいかんな。さ、勉強せい。先生もやるぞ。人のはなしも、蝉の声も、耳にはいらぬまでやるのだ。小さい時に怠けていると、この先生みたいに、大きくなっても手習していなければならんぞ」

墨だらけな、子供たちの手や顔を、見まわして笑いながらいった。

四

黄昏――

武蔵は身支度していた。

袴を着けて。

「よしたがよい。何とかいうて、断りなされた方が……」

その間、隣のかみさんは、縁先へ来て止めていた。果ては、泣かぬばかりに。

だが、ほどなく、迎えの駕は露地口へ来てしまった。もっこのような町駕ではない。輿に似た塗籠である。それにけさの侍二名、小者三人ほど付いて。

何事やらん――と近所界隈は眼をそばだてた。駕のまわりに人立ちがした。武蔵が侍たちに迎えられてそれへ乗ると、寺子屋のお師匠さんはえらい出世をなさったと、まことしやかにもう噂する者がある。

子供らは子供らを呼び集めて、

「先生はえらいんだぞ」

「あんなお駕は、えらい人でなければ、乗れないよ」

「どこへ行くんだろ」

「もう帰らないのかしら」

駕戸をおろすと、侍は、