Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 350.912 Zeichen · 702 Bildschirme
不審な所へ? ――
と、武蔵は疑わざるを得なかった。ともあれ、最前の人々は、香山半太夫、内海孫兵衛丞をはじめ、その年配なり重々しさから見ても、皆、然るべき位置の藩士達であるのに、年に一度の寄合という会場の席を、こんな不便な、田舎びた所まで、わざわざ持って来るとはおかしい。
――ははあ、さてはそういう口実の下に、何ぞ謀んでいるのだろうか。いやいや、それにしては、あの人々に何の邪気も殺気も感じられないが。
「――武蔵どの。もう皆、見えております。どうぞ此方へ」
彼を橋袂へ佇たせておいて、河原を覗いていた加賀四郎は、そういいながら、堤の細道を探して自分が先へ降りて行く。
「あ。席は船の中か」
自分の行き過ぎた疑いに苦笑を覚えながら、彼も後から河原へ降りて行ったが、何の事、船などもそこらには見当らない。
だが、加賀四郎を加えて、六名の藩士たちは、すでに来ていた。
見れば、席というのは、河原へ敷いた二、三枚の莚でしかない。その莚の上に、最前の香山、内海の二老人を頭に、井戸亀右衛門丞、船曳杢右衛門丞、安積八弥太など、膝も崩さず坐っていた。
「かような席へ、失礼じゃが、折もよし、年に一度のわれらの寄合へ、同郷の武蔵どのが来会わされたのも、何かのご縁じゃろう。