Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 350.912 Zeichen · 702 Bildschirme
「さ、それだから、貧乏人を庇って下さるのだろうと、そのことは、ご奇特なことだと、いわない人はございません」
「奉行所の町方などが、なにかわしについて、聞き歩いたようなこともないかね」
「そんなことは……どういたしまして、あるわけがない」
「はははは、つまらないことを訊くと思うだろうな。だが、実をいえば、この大蔵は、質業じゃない」
「へ……?」
「又八」
「へえ」
「金も小千両と纏まった大金となると、おまえの生涯にも、二度と、そんな運にぶつかるかどうかしれないぜ」
「……多分、それやあ、そうでございましょうね」
「つかまないか、ひとつ」
「何をで?」
「その大金の蔓を――だ」
「ど、どうするんです」
「おれに約束すればよい」
「へ……へい」
「するか」
「します」
「途中でことばを違えると首がないぞ。金は欲しかろうが、よく考えて返辞をしたがよい」
「何を――いったい――やるんですか?」
「井戸掘りだ。仕事は、造作もないこった」
「じゃあ、江戸城の中の」
大蔵は海を見まわした。
材木や伊豆石や、城普請の用材をつんだ船が、誇張していえば、舳艫をつらねてといえるほど、江戸湾に、それぞれの藩旗を並べていた。