Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 350.912 Zeichen · 702 Bildschirme

Aozora Bunko

四

いつも見る質屋倉の壁を、横に仰いで、又八は露地の裏木戸をそっと叩いた。

「開いているよ」

中ですぐ誰かがいう。

「お……旦那で」

「又八さんか。よく来てくんなすった。倉へ行こう」

と、雨戸をはいって、廊下づたいに、すぐ土蔵の中へ導かれた。

「さ、坐るがいい」

主の大蔵は、蝋燭立を、長持の上において、肱をかけた。

「隣の運平親方のところへ行ってみたかね」

「へい」

「で――どうしたい?」

「承知してくれました」

「いつ、お城へ入れてくれるというのか」

「あさって、新規の人足が、十人ばかりまたはいるそうで、その時に、連れて行ってやろうといってくれました」

「じゃあ、その方は、きまったんだな」

「町名主と、町内の五人組の衆が、請判を捺してくれさえすればいいことになっております」

「そうか。はははは。おれもこの春から、町名主のすすめで、強ってといわれて、その五人組のひとりになっているんだ。……そのほうは心配なし通るぜ」

「へ。旦那も」

「何を驚いた顔しているんだ」

「べつに、驚いたわけじゃございませんが」

「はははは、そうか、おれみたいな物騒な人間が町名主の下役をする、五人組衆にはいっているので呆れたというわけか。